JSTフェア2017 出展報告
8月31日から9月1日の2日間、東京ビッグサイトで開催されたJSTフェア2017に出展しました。 今年は昨年に比べて広い展示スペースが与えられ、東工大COIベースにおいては我々のコンセプト紹介のほか、現在開発が進んでいる二つのサービス、 すなわち「空気・行間を読むサービス」と「つながり共創空間サービス」の紹介とともにそのデモストレーションを行いました。
東工大COI拠点の展示ブース全景
東工大COI拠点の展示ブース全景
東工大COI拠点の展示ブース全景
空気・行間を読むサービス」では、円滑なコミュニケーションを実現するために、対話相手の名前の思い出しや記憶のあいまいさの補完、過去の出来事、
話し相手の趣味や嗜好などを自動的に知らせます。
これを実現するために、まずこれまでの自分のメールやSNS等を経験データベースとしてクラウド(デモでは参画企業や東工大のサーバ)に構築します。
経験データベースシステムには、会話中に支援情報を必要としているかどうかを検知する機能も備わっており、
必要な情報を経験データベースからリアルタイムに引き出し本人に音声合成と画面表示によって知らせます。
一般のメール検索やGoogle検索とは異なり、一致する検索キーワードがなくても関連する情報を経験データベースから推定して知らせるもので、
これを「あいまい検索」と呼んでいます。また経験データベースの他にも公開情報を検索して必要な情報を提示します。
デモンストレーションでは、タブレットを使ってあらかじめ想定した会話シーンをもと、会話に対する音声認識の様子、メールなどの検索結果の表示ならびにその合成音声を実感していただきました。
空気・行間を読むサービスの説明
空気・行間を読むサービスの説明
空気・行間を読むサービスの説明
人と人とを結ぶ「つながり共創空間サービス」では、東工大ブース内に「つながり共創空間」を実際に構築し来場者に対して、 人と人をつなぎコミュニケーションを活性化させるツール群を利用していただき、行動の見える化や興味度一致などを体験していただきました。 またこれらの技術の基礎となる共感の測定、すなわち「場」の見える化に関して、東工大三宅研究室の研究者がパネルを使って説明いたしました。
「つながり共創空間」の様子、来場者はその入口に置かれたセルフボールをもって空間内を移動
セルフボール 脳波計による感情推定 デジタルサイネージ
「つながり共創空間」で人と人を結びつけるセルフボール
「つながり共創空間」で人と人を結びつけるセルフボール
セルフボール
脳波計による感情推定
デジタルサイネージ
入口で手にしたセルフボールは、利用者の興味度を蓄積し状況に応じて様々な動きをするセンサ・アクチュエータで、
他人の興味と自分の興味が同じなのか違うのかお互いに感じることができます。
展示したセルフボールでは、人の瞬きに合わせて瞬きをする、人のうなずきに合わせてうなずき返すという共感動作の機能があります。
また脳波から共感を測定するデモンストレーションとして、アイトラッカーと脳波の感性モジュールにより興味度を測定し、
興味度の高いコンテンツを見ている時にセルフボールが共感して”うなずく”動作をすることによりフィードバックいたします。
「つながり共創空間」の出口にはデジタルサイネージが置かれており、ここでは画面に映し出された映像に興味があって立ち止まり、
ディスプレィの両側に人が立った時、コンテンツをじっと見入っていると突然投影面が透明になり反対側の人と対面することで話すきっかけをつくるという仕掛けを備えております。
それぞれの装置はまだ開発中のもので、機能的にまだ完成しておりませんが、「つながり共創空間」の中で自動的に自分の好みの収集とその人の状況などを検出し、
興味度の見える化と人の状態の見える化が可能となり、出会いたい人との出会いを向上させるという我々のコンセプトを理解していただけたと思います。
会期は2日間でしたが、東工大ブースには大学関係者のほか、通信事業者や電機メーカ、医療関係者など大勢の方が訪問されました。 これらの展示やデモンストレーションを通して、我々の目指す未来社会を体験していただけたのではないかと思います