Integrated Green-niX Seminar
EUV露光装置の低電力化
講演者: 新竹 積 教授、沖縄科学技術大学院大学
日 時: 2024年8月8日(木)13:30-14:30
場 所: 東京工業大学 大岡山キャンパス I7-1F Mishima Hall
※Zoomとのハイブリッド開催
概 要
沖縄科学技術大学院大学(OIST)の新竹積教授は、先端半導体の製造に不可欠な極端紫外線(EUV)露光技術の新しい設計を提案した。既存の装置に比べ小型の光源で使えるため、装置のコストを大幅に削減し消費電力も10分の1程度まで少なくできるという。商用化すれば、先端半導体製造の常識を覆す可能性を秘めている。露光装置は半導体の回路パターンを描いたフォトマスクの映像をシリコンウエハー上に焼き付ける装置。「リソグラフィー」とも呼ばれ、半導体製造の要だ。回路線幅が数?数十ナノ(ナノは10億分の1)メートルの先端半導体の製造には、波長の短い極端紫外線(波長13.5ナノメートル)で焼き付ける必要があり、この分野ではオランダの露光装置メーカーであるASMLホールディングが世界をリードしている。
ASMLの装置では回路パターンをウエハー上に縮小して映し出すために10枚の鏡を使っている。EUVはガラスを透過しないため鏡を使う必要があるためだ。光のエネルギーは鏡で反射するたびに減衰するため、出力200ワット以上のEUV光源が必要になる。ASMLの装置はスズ粒子にレーザーを照射してプラズマ化、EUVを発生させ光源とするが、強力な炭酸ガスレーザーは1000キロワットをこえる電力を消費し、大量の冷却水も要る。
これに対し、新竹教授の設計は鏡を4枚に減らした。EUV光源は20ワットで済み、装置全体の消費電力を10分の1ほどにできる。構造がシンプルなためメンテナンスが容易になるなどの利点もあるという。実用化できれば、スマートフォンや人工知能(AI)に現在使われている線幅7ナノメートルクラスの半導体製造に使える見込みだ。
参加登録
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講演会場
東京工業大学 大岡山キャンパス I7-1F Mishima Hall
※ Zoomとのハイブリッド開催
お問合せ
knc.info@knc.titech.ac.jp
科学技術創成研究院 集積Green-niX+研究ユニット
東京工業大学